空からの「警告」

先日、成田に赴いたときデルタ航空の「成田―グアム線」が1月8日で最終運行することを知りました。デルタに関して言うと、今後は仁川からグアムへ就航する路線を使用しなければなりません。デルタは大韓航空との共同事業化で24時間空港である仁川から80地域のアジア路線を接続することができるそうです。

成田の路線を縮小しているのはユナイテッドも同様です。成田から北京、台北など徐々に直行便を縮小しています。一方で充実しているのが中国直行便。いまやアメリカから中国への直行便は週90便と日本より20便も多くなっています。

空港だけではありません。港湾も同様です。1995年の阪神淡路大震災までは神戸港は世界の港湾で5番目の取扱貨物量を誇っていました。1985年当時のベスト5はロッテルダム、ニューヨークニュージャージ、香港、高雄、そして神戸。

ところが、2015年は上海、シンガポール、青島、広州、ロッテルダム。日本は19位に名古屋、神戸に至っては42位です。香港も12位ですが、その分、ベスト10までに中国の港湾が6港入っています。

アジアのハブ港であった座を震災で失い、次は空のネットワークも中国の台頭により奪われつつあります。

昨今の景気は観光客に依存するインバウンド特需とも言えます。このバブルは為替の動きや自然災害、外交による緊張等で簡単に吹き飛びます。これら航空会社の日本離れを「警告」と捉えて、わが国の将来設計を真摯に見つめ直さなければならないと思います。

※今年1月17日の毎日新聞の記事によると、神戸港の2017年のコンテナ取扱個数が過去最大だった震災前の1994年の292万個と同水準の290万個にまで回復したことが報じられています。阪神淡路大震災から23年。そして、神戸港開港150周年の節目の年に、ここまで復活したことに、感慨無量です。

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