同じ景色を見たい

「儲かっているだろう?」とよく聞かれます。

特にこの3年くらいの不動産価格の上昇は、「地面師」の出現をゆるしました。猫も杓子も土地に手を出した平成バブルを彷彿させます。

それから約25年を経て登場するキャラクターやプレーヤーは変わったものの、やっていることは基本的に一緒です。

人間の根底にあるものは欲であり、業であり、それらが原動力となってある一定のベクトルに向け、動き蠢くのだと思います。

不動産や金融・証券は特に「他者より儲ける」ことへの執着が強い業界だと思います。

冒頭の質問で「儲かるだろう?」とか「今年は儲かった」等と昨年の業界の忘年会などでは、多分に耳にしました。

儲けることが悪いこととは思いません。労働の対価です。当然、生活のためにも稼がなくてはなりません。けれども、その価値観だけで働いている人ばかりではないと思います。

綺麗ごとかもしれませんが、「儲かる」とか「儲ける」という言葉ばかり耳に入ってくると私はなんだか悲しくなります。

経営者なのですから、利潤の追求は大命題です。社長本人だけでなく、社員の命運も背負っている訳ですから。でも、金儲けだけを目的に仕事をすることは、私は正直できません。いかに儲かる仕事でも断っています。

筋が通っていなければ仲介にも入らないし、お客様から喜ばれる内容でなければ管理もしません。

お取引先様をご紹介いただいても、価値観に違和感を抱いたり、直感でつまずいたりしたら、ご遠慮させていただいています。

殿様商売だとか、仕事を選んでいると言われればその通りですが、これはお互いの幸せのためだと私は思っています。

人間なので気が合うとか合わないはあるでしょう。しかしながら、根本的に同じような景色を見たい人、似たような目標に向かって歩ける方でなければ、お互いに不幸だと思います。

マネーゲームに走りたいなら、そういう業者をパートナーにすればいいのです。

誰に何と言われようが、「喜ばれない仕事はしません」。

感謝されることが、私の、そして弊社の原動力です。

EffectPlus_20190318_204852.jpg